みなさんは食事の時、塩分を気にしていますか?
高血圧症の方にとって、症状を悪化させないために食事はとても重要になります。
自分では気づかないうちに過剰に塩分を摂取していたり、食べすぎ、お酒の飲み過ぎなどから身体へ負担をかけているかもしれません。
動脈硬化は、血管が弾力を失い硬くなっていく状態です。動脈硬化になると心筋梗塞や脳梗塞など、様々な生活習慣病のリスクが高まってきます。
日頃から塩分を減らしてバランスの取れた食生活を心がけることで、高血圧の予防や改善に役立ちます。
それでは、どのように食生活を見直していくのかを具体的に紹介していきますね。
目次
1日の塩分摂取目安は?
厚生労働省のガイドラインでは、1日の塩分摂取目安は6g未満。
WHOのガイドラインでは、1日の塩分摂取目安は5g未満。
普段の生活で食事をするときに、あまり塩分を気にしていないかもしれませんが、知らないだけで身近な食品に多くの塩分が使われていたりします。塩分摂取目安を1日6g未満にしてくださいと言われても、気にしていない方だとピンときませんよね。
日頃食べているものに、どれだけ塩分が使われているのか参考にしてください。

例えば、
ラーメンは6g前後。
うどんは5g前後
親子丼は4g前後
スパゲッティ4g前後
コンビニ弁当は3g~4g前後
身近な食べ物には、知らないだけで多くの塩分が使われていたりします。
外食や市販の弁当は塩分を多く摂取してしまいがちなので、ラーメンであればスープを残したり、弁当についている醤油やソースはかけないようにするといった工夫が必要になりそうです。

気づかないうちに1食で1日の塩分量をほとんど摂取してしまった、ということにならないように注意しましょう。
パンや麺にも食塩は含まれていて、塩鮭、干物、かまぼこ、ベーコン、ハム、ウィンナー、チーズ、バター、インスタントラーメンなどの加工品にも食塩は含まれています。
とくに、ハム、ソーセージ、ベーコンなど、添加物を多く含む加工食品は注意が必要です。
国際がん研究機関(IARC)が、ソーセージやベーコンなどの加工肉を摂取することで大腸ガンになるリスクが高くなると発表しています。
加工肉に含まれるリン酸塩は、過剰摂取すると免疫力低下、腎臓疾患などのリスクがあり、亜硝酸ナトリウムは、毒性が強いため、継続的に摂取することで癌になる可能性が高くなるといわれています。
買い物をする際には、加工品をできるだけさけて、生の食品である野菜類、大豆類、魚類、肉類をできる限り購入していきたいですね。
血圧を下げる食べ物・飲み物
高血圧の方に限らず毎日の食事は、「主食・主菜・副菜」をそろえてバランスのいい食事を心がけることが大切です。減塩しながらカリウムを含む食材を取り入れましょう。

食材の中には血圧を下げる成分を含むものがあります。日頃の食生活に取り込むことで、高血圧の予防や改善が見込まれますので、ぜひチェックしてみてください。
野菜類、大豆類 血圧を下げる食材1

高血圧の予防や改善には、カリウムを多く含む野菜を選ぶようにしましょう。カリウムは、体内の余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。
【カリウムを多く含む野菜】
・パセリ
・ほうれん草
・小松菜
・春菊
・アボカド
・かぼちゃ
・じゃがいも
・大根
・レンコン
・トマト
・大豆
・小豆
・枝豆
玉ねぎ、ニンニク、ニラ等には、血圧を下げる成分である硫化アリルが含まれています。
硫化アリルは血液をサラサラにして、動脈硬化を予防する働きがあることが研究から報告されています。
・ニンニク
・玉ねぎ
青魚(サバ・イワシなど) 血圧を下げる食材2

青魚にはDHAやEPAが多く含まれています。
DHAやEPAには、血液をサラサラにする働きがあり、中性脂肪低下作用が研究から明らかになってきています。青魚を食べることで、体を酸化から守り、血液の循環を良くし、健康や美容、老化防止に役立てていきましょう。
・サバ
・マグロ
・イワシ
・ぶり
・サンマ
海藻類 血圧を下げる食材3
海藻類は、ミネラル成分や水溶性食物繊維が豊富です。
水溶性食物繊維には、血圧の上昇や血糖値を抑える働きがあるといわれています。
・ひじき
・わかめ
・昆布
発酵食品 血圧を下げる食材4
発酵食品には、抗酸化物質やイソフラボン、善玉菌が豊富に含まれています。
善玉菌は、腸内環境を整える働きをしてくれ、イソフラボンは、研究により降圧作用があることが報告されています。抗酸化物質は、体の酸化を防ぎ、老化の原因となる活性酸素を除去してくれる働きがあります。
・納豆
・ヨーグルト
・減塩みそ
果物 血圧を下げる食材5
手軽に食べられる果物でカリウムを補給しましょう。
カリウムは水に溶けやすい性質を持っていますので、調理を必要としない果物なら気にせずカリウムを手軽に摂取できます。カリウムは余分な塩分を体外へ排出する働きがあります。
・バナナ
・キウイフルーツ
・リンゴ
オリーブオイル 血圧を下げる食材6
オリーブオイルはオレイン酸が主成分で、オレイン酸には動脈硬化や心臓病の原因となる悪玉コレステロールだけを減らす働きがあります。
脂肪の酸化が進んでしまうと、体内の活性酸素と結びついてガン、糖尿病、心疾患、脳疾患の原因になります。酸化されにくい抗酸化成分がオリーブオイルには含まれています。
・エキストラバージンオリーブオイル
ナッツ類 血圧を下げる食材7
塩分を加えない素焼きのナッツ類
・アーモンド
・ピーナッツ
・クルミ
・マカデミアナッツ
・カシューナッツ
ナッツ類の成分には、血管の柔軟性を高めるポリフェノール、血中コレステロールを適正に保つオレイン酸、血中の余分な塩分を体外へ排出するカリウム等が含まれ、血圧を下げる栄養成分が豊富です。ナッツ類を選ぶ際には、塩分が加えられていない素焼きの商品を選ぶようにしましょう。
酢 血圧を下げる食材8
お酢に降圧効果があることは昔から知られています。
酢の種類は、米酢、玄米酢、黒酢、リンゴ酢などあり、主成分である酢酸、クエン酸、アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどが含まれています。
酢酸やクエン酸は疲労で蓄積した乳酸を燃焼させたり、アミノ酸は血液をサラサラにして血行を良くするといわれています。
緑茶 血圧を下げる食材9
緑茶に含まれるカテキンは、血圧上昇を抑制する働きがあるといわれています。
食事中や食後に緑茶を一杯飲むだけでも、高血圧の予防や改善に役立ってくれそうです。
まとめ
血圧が下がる食べ物や飲み物を紹介してきましたが、高血圧の方だけでなく、健康な方の生活習慣病予防や美容にも役立つ食材ばかりです。
身近においしい食べ物はたくさんありますが、気づかないうちに塩分を過剰摂取しているかもしれません。日ごろの食生活の積み重ねが健康維持につながります。
まずはできることから食生活の見直しを始めてみましょう。
例えば、高血圧を放置して食生活を改善していない場合には、血管に負担がかかり動脈硬化を促進させる恐れがあります。